ブリヂストンが開発した世界初の素材
自動車やバイクのタイヤの素材と言えば、ゴムをイメージする人は多いでしょう。
確かに現在では、ゴム製のタイヤが主流です。
しかしタイヤメーカーとしては世界最大手のブリジストンでは、世界初の素材SUSYM(サシム)を使ったタイヤの研究開発がすすめられています。
SUSYMは、世界初のポリマー素材でゴムと樹脂を分子レベルで結合させたものです。
現在タイヤの素材となっている天然ゴムよりも高耐久性であるのが特徴で、高性能のタイヤ素材として注目されています。
2019年に開催された東京モーターショーで初めて発表されたタイヤですが、今後は従来のタイヤに代わって少しずつ市場に登場することが期待されています。
SUSYMの特徴は?
SUSYMというネーミングには、Sustain(持続)、Symphony(調和)、Symbiosis(共生)という意味が込められています。
従来のタイヤ素材と比較すると、耐摩耗性は2.5倍以上、耐亀裂性は5倍以上、そして引張強度は1.5倍以上でかなりのハイスペック素材であることが分かります。
天然ゴムよりも穴が開きにくいという特徴がありますし、万が一壊れてしまったとしても、熱を加えることで再生できるという点もSUSYMの大きな特徴と言えます。
自動車やバイクのタイヤとしてSUSYMが使われれば、パンクしにくく修理しやすい高強度のタイヤとなり安全性がグンと高まるでしょう。
タイヤメーカーが研究開発しているという点で自動車やバイクのタイヤとしての商品開発が予想されていますが、SUSYM素材はタイヤ以外の用途にも応用でき、今後は天然ゴムに代わってSUSYMがゴム素材として使われるようになるのではないかとも考えられています。
SUSYMコンセプトタイヤで未来が変わる?
タイヤと言えば、黒くて丸く、素地は天然ゴムというのがステレオタイプなイメージです。
しかしSUSYM素材のタイヤが市場に登場すれば、この常識が覆される可能性があります。
例えばSUSYMを使ったコンセプトタイヤでは竹細工をモチーフにしていて、黒くて丸い形ではなく日本の伝統工芸を彷彿させるような美しいデザインが魅力です。
このデザインは、ただSUSYMだと可能だからそうしているというわけではありません。
表面を平面ではなく網目状にすることで、クッション性を高めています。
また平面だと穴が空いたらパンクとなりますが、網目状ならパンクの心配がありません。
それに、タイヤに空気を入れる必要もなくなります。
さらにホイールが必要なくなり、タイヤの大幅な軽量化にも貢献してくれます。
SUSYMコンセプトタイヤがそのままの形、もしくは近い形で市場に登場すればタイヤに対する私たちの考え方が大きく変わることは異生まれもありませんし、タイヤのメンテナンスがとても楽になる事でしょう。
SUSYMの今後に期待が寄せられています。