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タイヤの技術革新

オートバイ

タイヤの形といえば黒くて丸いもので同じように見えるかもしれませんが、タイヤ開発会社は見えないところでさまざまな技術を開発してきました。
今回はタイヤの新たな技術について紹介します。

技術革新が起こりにくいタイヤ業界

タイヤはシンプルな分、技術革新が起こりにくいといわれています。
近代だと1946年にミシュランが開発したラジアルタイヤです。ラジアルタイヤとは芯材の方向を改良して、従来のバイアスタイヤより剛性を高めました。
このラジアルタイヤは現在の主流となっています。

トーヨータイヤのタイヤ工法A.T.OM

トーヨータイヤが考案したタイヤ工法A.T.O.M.(Advanced Tire Operation Module)は、リボン状の部材を貼り合わせて、タイヤの部材を作成する方法です。
もともとはミシュランが提唱したC3M製法を参考に研究し、工法として完成させました。
この工法だとタイヤの原型となる形を一気に作れるようになります。また、従来の工法にある大きな張り合わせが必要ないため、真円性が高くバランスがとりやすいのもメリットです。
さらに材料にムダがなくなり、従来の工法で製造した自動車タイヤより1.5kgも軽くなりました。
製造機械は10畳ほどのスペースに収まるため、従来80mは必要だった製造ラインが約3分の1に削減できたのは驚きです。

AIを活用したブリヂストンのCAIS

タイヤの内側にセンサーを取り付け、路面を通過する際に得られる加速度や振動の大きさを測定します。その測定したデータを解析し路面状態を判別するというものです。
判別するタイプは、乾燥、半湿、湿潤、シャーベット、積雪、圧雪、凍結の7種類です。
路面状況の判別には路面のわずかな抵抗を人工知能によって判別し、解析をしています。
センサーには小型発電機を搭載しているので、タイヤ内で電力供給ができます。
CAISは北海道の高速道路管理事務所で活用され、路面の状態に合わせて効率のよい凍結対策が可能です。
将来的にはドライバーに路面の状態を伝えることで、より安全な運転を意識できるようになります。

ダンロップのサイレントコア

従来の技術では難しかった空洞共鳴音の低減に成功しました。
空洞共鳴音とは路面の突起を乗り越えた時に発生する音や車内で耳障りに感じる連続音のことです。
太鼓が鳴り響くような音で従来の技術では消すことは困難とされていました。
ダンロップでは、サイレントコアという特殊スポンジを搭載し、共鳴音を低減化。
この技術はダンロップが特許を持っています。