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ブリヂストンの新技術Enliten(エンライトン)

Enlitenはタイヤ性能を高める新技術

タイヤメーカーとして世界最大のシェアを誇るブリヂストンでは、タイヤに関する素材や技術の研究開発を進めています。
Enliten(エンライトン)はその一つで、2019年に開発されました。
Enlitenはタイヤの転がり抵抗を30%程度低減できる技術で、これを使うことによって車両のハンドリングなどの運動性能が高まるというメリットが期待できます。
またタイヤの摩耗性能を維持しながら重量を約20%軽量化できるという点も、Enlitenが実現する大きな特徴の一つです。

Enlitenは電気自動車と相性抜群

Enlitenは、タイヤの軽量化に大きく貢献してくれます。
その結果ガソリン車なら走行時のCO2排出量が削減できますし、燃費の向上も期待できます。
一方、電気自動車の場合には車両の重さがバッテリーの寿命と大きな関係があり、タイヤの軽量化はバッテリー寿命の向上にも貢献してくれることになります。

それだけではありません。
電気自動車のバッテリーを1回充電すると、タイヤの軽量化によって航続距離が大幅に延長できるので実用電費の向上にもつながります。
航続距離が気になるという人にとっては、この技術を搭載したタイヤならより長い距離の走行ができるという点で大きな安心感につながるでしょう。

Enliten技術を使うことで、タイヤはどのぐらい軽量化できるのでしょうか?
目安としては、従来のタイヤよりも約20%程度は軽量になると考えられています。
またEnliten技術を使うことによって、タイヤを製造する際に必要となる原材料もタイヤ1本あたり約2kg程度少なくて済むことになります。
つまりこの技術は、タイヤの製造過程から実用に至るまであらゆる部分で省エネに貢献していると言えるでしょう。

フォルクスワーゲンID.3に採用

Enlitenの研究開発は、2019年に発表されました。
その後、実用化に向けての作業が進められており、2020年にはフォルクスワーゲンの新型EVにEnlitenが搭載されました。
この技術が搭載されることにより、タイヤの軽量化やハンドリング性能アップに加え省資源化にも大きく貢献できます。

フォルクスワーゲンのID.3開発においては、タイヤの運動性能と環境性能を両立できるEnlitenにさらにコンパウンドの配合技術を組み合わせています。
これによりタイヤのグリップ力がバツグンに高まり、より高い安全性を実現することができました。

フォルクスワーゲン車種に装備されるタイヤには、ブレーキ性能や耐久性能など多方面において高いレベルが要求されます。
Enliten技術を搭載したフォルクスワーゲンID.3は160km/hでリミッターが作動するメカニズムになっていますが、最高速度近くてもブレることなく安定した走りができると好評です。