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意外と奥深い!タイヤの歴史について

バイクレース

自動車やバイク、自転車に使われているタイヤですが、空気入りタイヤが一般的になって約100年しかたっていないことはご存知でしょうか。
普段、当たり前に履かれているタイヤですが誕生から急激な進化を遂げました。
今回はタイヤの歴史について解説します。

タイヤの起源

タイヤの起源は3000~4000年前にメソポタミア文明を築いたシュメール人が発明した車輪といわれています。
当時の車輪は木製で動物の皮をかぶせて使用していたそうです。
なお、日本では奈良時代に物資運搬用の人力車に採用されていたそうです。

その後、車輪にスポークを取り入れたり、木製の車輪の外側に鉄をはめたりと進化を重ねていきました。
1835年に快適に走行するためにゴム製のタイヤが誕生。構造は鉄の車輪にゴムの輪をつけただけのソリッドタイヤと呼ばれました。路面を走るための加工をしていない生ゴムだったため耐久性はなかったようです。
このタイヤは1886年に自動車メーカー「ダイムラー・ベンツ」が開発したガソリン車や軍用車に使われています。
長時間走行すると熱でゴムが焼けていたそうです。

空気入りタイヤの誕生

1845年にR.W.トムソンによって空気入りのタイヤが誕生。
空気が入ることで乗り心地がよくなり、騒音や走行抵抗の軽減化に成功しましたが、長い間実用化されませんでした。
1888年にJ.B.ダンロップが自転車用に使ったことから空気入りタイヤが広まります。そして、ミシュラン兄弟が1895年の自動車レースに空気入りタイヤで参戦しました。
パンクが多発しリタイアとなってしまいましたが、レースでは優勝者の2倍ものスピードをたたき出したといわれています。
その翌年にはほとんどの出場者が空気入りタイヤを採用したそうです。

タイヤの進化

空気入りタイヤが普及してからは、耐久性を高め寿命を延ばすためにタイヤが進化していきました。
1908年にアメリカですだれ織りコードが発明され、1920年にタイヤに採用されます。
それまではタイヤの骨格部分であるカーカスと呼ばれるところは平織の布にゴムをつけていましたが、すだれ織りコードを使用することで布同士の摩擦は抑えられ耐久性が大幅に向上しました。
1912年にゴムの添加剤としてカーボンブラックが使用されるようになります。タイヤの強度と耐摩耗性が改善され、寿命が大幅に伸びました。
これまでのタイヤの色は白または飴色でしたが、カーボンブラックにより黒色となったのです。
すだれ織りコードとカーボンブラックによりタイヤの寿命がケタ違いに伸びる結果となりました。
さらに、タイヤに使用されたコードは1942年にナイロン、1962年にポリエステルが使われ強度や性能が向上することになります。

その後、1947年にアメリカのグッドリッチ社がチューブレスタイヤを1948年にフランスのミシュラン社がラジアルタイヤを発表。
現在もタイヤは進化を続けています。