タイヤメーカーがゴルフボールを作る理由とは？
タイヤメーカーの中には、ゴルフボールを製造するメーカーが少なくありません。
タイヤとゴルフボールには、見た目では特に共通点はないようなイメージがあるでしょう。
しかしタイヤとゴルフボールには意外な共通点があり、製造技術を生かすことが可能なのです。
タイヤは、ゴム素材で作られています。
現在のゴルフボールはゴム素材のものはありませんが、歴史の中にはゴルフの際に使うゴルフボールをタイヤのようなゴム素材で作られたものを使っていたこともありました。
現在でも、ゴルフボールの中を見てみると芯の部分にゴムを使っている構造のものもあります。
ただし現在は、全てのゴルフボールの芯がゴムというわけではありません。
ゴムを全く使わないゴルフボールもあります。
しかし起源という点で、ゴムの技術を生かしてゴルフボールを製造しやすかったということが、タイヤメーカーがゴルフボールの製造に乗り出したキッカケではないかと考えられています。
ゴルフボールを作るタイヤメーカーは3社
タイヤメーカーの中でゴルフボールを製造するメーカーは、ブリヂストンやダンロップ、ヨコハマと3社あります。
ブリヂストンはPHYZやツアーBなどをラインナップしていますし、ダンロップはXXIOシリーズが人気です。
横浜はPRGRシリーズをラインナップさせているなど、どのメーカーが製造するゴルフボールはどれもゴルフボール業界においては人気ラインとなっています。
タイヤメーカーの中で、最も早くゴルフボールの製造を始めたのはダンロップです。
ゴルフやテニスが盛んだったイギリス発祥のブランドだったこともあり、1930年ごろからゴルフボールの製造がはじまりました。
当時にテニスボールの製造もおこなっており、現在ではゴルフボールもテニスボールもどちらも製造を継続しています。
ブリヂストンは、ブリヂストンタイヤが発足した1931年にイギリスでタイヤ製造技術について学び、その際にはゴルフボールの製造技術についても学びました。
1934年にはゴルフボールの試作が作られ、1935年からは一般的な市販が始まりました。
ブリヂストンの創業者はゴルフが大好きでしたが、もしかしたらそのこともブリヂストンのゴルフボール製造と関係があるのかもしれません。
ヨコハマがゴルフボール製造を始めたのは、1983年です。
当時タイヤの製造技術の進化と共に、品質の向上によってタイヤの寿命が延び、販売減で悩んでいたことがゴルフボール製造のきっかけとなりました。
もちろんヨコハマでも、タイヤの製造技術はゴルフボール製造にも生かされています。
タイヤメーカーがゴルフボールの製造を行っていることは、製造技術を転用しやすいという理由があり、見事なマッチング戦略の賜物だと言えるでしょう。