自動運転車の研究
住友ゴムと群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)は共同で自動運転に対応したタイヤサービスの研究を進めています。
住友ゴムはタイヤの空気圧を監視するタイヤ周辺のサービスを始め、CRANTSが自動運転サービスを始める方針です。
両者は2019年から自動運転車に対応したサービスの研究を始めました。
この研究では、TMPS(タイヤ空気圧監視システム)用のセンサーをタイヤに組み込み走行することで、パンクといったトラブルに速やかに対応することを目指しています。
センサーがタイヤに異常を検知した場合、判断に必要な情報を自動運転管制所に提供して、運転手のいない自動運転車でも安全に運行できるようになるのです。
住友ゴムは2020年1月に自動運転車向けのタイヤ周辺サービスを進める部署を新設し、安全で事故のない未来に向けて開発に取り組んでいます。
CRANTSもドライバーのいない自動運転車の開発に注力していました。これまで公的研究機関として国内最大規模となる36件の実証実験を重ねています。
自動車メーカーが開発する自動運転車はあらゆる場所を走ることを前提としていますが、CRANTSでは移動手段が求められる地域やルートを走れればいいと考えています。
自動運転以外にも様々な技術やサービスの開発が必要です。CRANTSの自動運転車は運転手がいなくても、安全に走行するためにタイヤの状態を正確に把握しなくてはなりません。
そのため、住友ゴムと共同でタイヤの状態を検知できるシステムを開発しています。
タイヤの価値を再定義する
住友ゴムは自動車業界に大変革が起きているとし、クルマに求められる価値観が変化し、タイヤに求められる価値も再定義する必要があると述べています。
CRANTSとの実証実験に使用されたTMPS用センサーは一般的な帯域のRF信号ではなく、Bluetooth Low Energy(BLE)を採用しました。
RF信号は地域によって利用できる周波数が異なるためです。BLEはそういった問題がなく消費電力を抑えられるため、ボタン電池で数年間動作を続けられます。
TMPS以外にも、タイヤの回転で滑りやすさや荷重をチェックする技術も組み合わせていくことを示唆しました。
2020年は、両者にとって新たなサービスを始めるタイミングになりそうです。
CRANTSは自動運転車の技術を用いた路線バスサービスの提供を目指します。
この自動運転バスはドライバーが完全に不在で、運転状況を遠隔で監視します。当初は1~2kmの限定的なサービスですが、周辺の理解を得ながら徐々に拡充する予定です。
住友ゴムもタイヤ周辺サービスの提供を2020年内を目標として、CRANTSと同期した対応を進めていきます。