ダンロップの「エナセーブ」とは、燃料消費を削減するエナジーセーブと自然環境保護を実践するネイチャーセーブの想いをこめた低燃費タイヤです。
今回は新技術を盛り込んだエナセーブ NEXTIII(ネクストスリー)について解説します。
エナセーブ NEXTIII(ネクストスリー)について
2019年12月よりブリヂストンが新商品のエナセーブ ネクストスリーを販売しました。
ネクストスリーの開発では、ブリヂストン独自のAI技術と新材料技術が盛り込まれたフラグシップ低燃費タイヤです。
同社が掲げる次世代タイヤコンセプト「SMART TYRE CONCEPT」第一弾のタイヤとなります。
タイヤラベリング制度において転がり抵抗が最高グレードの「AAA-a」を獲得しながら、摩耗や経年劣化による性能低下を抑えたことが特徴です。
従来品のネクストツーと比較すると、2万km走行時のウェットグリップ性能低下が半減されました。
AIやシミュレーションを用いて製造
ネクストスリーの性能持続技術は、AIやシミュレーションを用いてタイヤの摩耗や経年劣化のメカニズムを解明しました。
性能低下を引き起こす要因を、新材料の採用や薬剤を調整するなどして対策しています。
要因の一つにメカノケミカル変化があります。
メカノケミカル変化とは物理的な力でタイヤのゴム分子が切れると、切断面が酸化してさらに分子が切断されることです。
このメカノケミカル変化を抑えるために、従来のポリマーとは異なる水素添加ポリマーという素材を採用しました。
水素添加ポリマーにより、分子の切断を防ぎ切断が起こっても再結合しやすく、従来のポリマーより経年劣化を50%抑制できます。
天然資源の有効活用を目指す
ネクストスリーは商品ライフスタイル全体で環境性能を高めるライフサイクルアセスメントを重視しています。
ネクストスリーは天然資源の有効活用を目指して、木材繊維を細かくほぐしたセルロースナノファイバーを、世界で初めてタイヤ用のゴム材料に採用しました。
セルロースナノファイバーとは、木を幅15ナノメートル程度まで細くしたセルロース繊維素材です。軽量で高強度、高弾性と多くのメリットを持ちます。
セルロースナノファイバーはタイヤ用のゴム材料としては均一に分散させることが課題でした。課題解決のために日本製紙や三菱ケミカルの技術を活用。
セルロースナノファイバーの繊維方向をタイヤの回転方向に揃えて、操縦安定性と乗り心地を両立させています。